一般的に「形見分け」は形見の品を通じて故人を偲んでいただく事を願い、愛用の品や衣服・装飾品などを近親者や親しかった友人に贈る事です。
しかし、せっかくのお気持ちも場合によっては失礼にあたる可能性があります。
そこで、形見分けの基本的なマナーを記載致します。
あくまで一般的な観点ですので読者の皆様のご親族や地域の作法に則って行う事が最良かと思います。
ご参考になれば幸いです。
そもそも形見分けは、親から子へ、兄姉から弟妹へ、または後輩へ贈られるものです。
その為、故人よりも目上の方へ贈る事は避けましょう。
ただし、目上の方でもご本人が希望された場合はこの限りではありません。
ご要望があれば目上の方へ贈る事も失礼にはあたりません。
形見分けの時期は、宗教等により少し違ってきます。
仏式の場合は、四十九日を過ぎた頃
神式の場合は、五十日祭を過ぎた頃
キリスト教式は、30日目の昇天記念日
に行うのが一般的とされています。
法要の後に、自宅にお招きして行うか、改めて先方へ持参するのが一般的です。
贈答品のような包装はせずに、お渡ししましょう。
包む場合は、半紙などの白無地の紙に「遺品」「偲び草」などと記載して簡単に包む程度にしましょう。
また、郵送を行う場合は、最低限の包装を行い、別途挨拶状を出しましょう。
形見分けは、故人と受け取る方との思いを繋ぐモノですので、故人と受け取る方との関わりを考慮してふさわしいモノを選ぶようにしましょう。
また、汚れやほつれが目立つ衣類や破損が目立つモノは、受け取る方が希望しない限り避けましょう。
衣類についてはクリーニングを行う、モノについては埃を取り除く等、受け取った方が使い易いように配慮しましょう。
高価すぎる物は贈らないようにしましょう。
時価110万円以上(※2015年現在)の高価な品物は、贈与税が発生し先方にご負担をおかけする事になりますので気をつけましょう。
先方に贈与税等の内容にご了承頂いた場合は、贈っても問題ありません。
遺産分割の協議を相続人と行い、遺産相続の内容が決定してから行いましょう。
遺産分割の協議を行う前に形見分けを行うと相続人とのトラブルのもとになる可能性があります。
トラブルを避ける為にも、遺産分割の協議後に行いましょう。
以上、一般的なマナーを記載致しました。
冒頭にも記載致しました通り、あくまで一般的なマナーですので、読者の方のご親族や地域のマナーと照らし合わせて行う事が最良かと思います。
ご一読ありがとうございました。